[chat face="1491074.png" name="ミケ" align="left" border="gray" bg="gray" style=maru] 全人的苦痛ってなに?[/chat]
[chat face="medical_yagi_doctor.png" name="ヤギさん" align="right" border="yellow" bg="yellow" style=maru]こういった疑問にお答えします [/chat]
[box05 title="本記事の内容"]
- 痛みは一つではない。いろんな痛みがある。
- 痛みに合わせて対応することが必要。
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全人的苦痛【Total pain】とは?
全人的苦痛とは痛みの種類です。
[chat face="1491074.png" name="ミケ" align="left" border="gray" bg="gray" style=maru]普通の痛みは「肩が痛い」「お腹が痛い」と感じること[/chat]
でも痛みは色々あるんです。
①身体的苦痛
②精神的苦痛
③社会的苦痛
④スピリチュアルペイン
この4つをあわせたものが全人的苦痛【total pain】と言われるものです。
①身体的苦痛
身体的苦痛は体の痛みのことを指します。
肩が痛い・腰が痛い・お腹が痛い・頭が痛い
体がだるい・息苦しい・便秘・下痢
足が浮腫む・寝られない
痛みだけではなく、不快感などの体に関する苦痛全体のことも包括します。
痛みは突発的ではなく、慢性的な継続した痛みもあるため評価が難しいです。
②精神的苦痛
精神的苦痛は本人が感じる不安や恐れを指します。
不安・恐怖・苛立ち・恐れ・孤独感
一番苦痛を感じるのは不安感であると考えます。
内的な不安感【この先どうなるのか?】【いつまで続くのか?】
外的な不安感【この人は信頼できるだろうか?】などです。
精神的苦痛の改善に必要なのは安心感であると思います。
何が不安であるのか?は内在的であるため、なんとなくの不安感を解消することが一番の解決法であると思います。【私の見解】
③社会的不安
意外かもしれませんが、社会的苦痛も存在します。
ソーシャルな場面での存在の欠如や恐れも社会不安とされています。
仕事上の問題・経済的(お金)の問題
家庭感の問題(人間関係)
家族問題や仕事上の問題は表面化されませんが、当人にとっては大事な問題です。
家庭環境は相手が影響してくる問題だからこそ解決が難しいのです。お金の問題であれば、公的控除を利用することで解決できる場合もあります。
緩和ケア病棟では遺産問題や遺言などのお金問題と家族環境に頭を悩ませる人もいます。医療職としては「傾聴」に尽きます。当人の問題に介入することは極めて困難です。
④スピリチュアルペイン
宗教的な意味を持つスピリチュアルペインは人により解釈が異なるのが特徴です。
キリスト教ならば神父さん、仏教ならお坊さんなどの宗教専門家の領域です。
人生の意味・罪の意識・死生観
苦しみの意味・死の恐怖・価値観の変化
人はどうしたら天国に行けるのか?悪いことをしたら地獄に行ってしまうの?
という根源的な問題に対しての苦痛感や不安感の解消はできませんが、傾聴することは出来ます。
リハビリ職の役割
リハビリ職が関われるのは身体的苦痛と精神的苦痛のみです。
具体的には、不動に伴う痛みの緩和とリラクゼーションで身体的苦痛を緩和することです。軽い運動療法でも身体的苦痛が緩和されることが示させれています。
精神的苦痛には傾聴が有効です。不安に感じていることを傾聴し、本人の思いを吐き出せる環境を作ることが必要です。
家族に話せないことでも他人であれば話せるということもあります。
すべての痛みをとることは困難ですが、1日の間に僅かな時間でもホッとできる時間を提供することに意味があると思います。
まとめ
全人的苦痛は緩和ケアのみに適応されるだけではありません。
私達の身近な場所に全人的苦痛があるのです。
私達が今悩んでいる内容を分けるとこの4つに分類されると思います。身体的苦痛はないけど、社会的苦痛に悩まされている人はたくさんいると思います。
死を目の前にして感じる苦痛が身体的苦痛が多いだけであると言うことです。
転職を考えるのも社会的苦痛と精神的苦痛が影響してると考えても良いでしょう。
身体的・精神的・社会的・スピリチュアルペインの4つを合わせてものは全人的苦痛である。
一つだけの問題ではなく相互に関係しあっている。
病気になった人だけの評価ではなく、すべての人に関係する。