作業療法

【褥瘡】高齢者・終末期の患者さん向け!褥瘡対策(作業療法士考察)

こんにちは作業療法士のたまるです。

みなさんは「褥瘡」はご存知でしょうか?

高齢者や終末期の寝たきりの患者さんに生じる疾患です。

リハビリ職や医療・介護現場で活動されている方は悩まれていることも多いのではないでしょうか?

今回は作業療法士が考える褥瘡の対策をお伝えします!

当ブログでは、癌サバイバーや高齢者へ向けての情報発信をしています。


病院・在宅・高齢者施設に携わる医療関係者に有用な情報を伝えます。

それではどうぞ!


褥瘡になる原因とは?

高齢者や終末期の方に褥瘡ができる原因は寝たきりによって引き起こされます。

褥瘡の発生順序 

 ①長時間の寝たきり

 ②局部に圧力がかかる

 ③局部に阻血(血の巡りの低下)

 ④組織壊死

褥瘡の発生は①~④の順に進行していきます。順に説明していきます。

長時間の寝たきり(不動)

褥瘡の一番の原因は長時間の寝たきりです。

病状によりますが、疾病を患った患者さんは体を動かすことが億劫になったり、やる気が低下します。点滴や人工呼吸器を使用している型は自力で動かすことが物理的に難しくなります。

 

寝たきりになる要因

・身体レベルの低下→全身機能の低下・運動機能の低下・認知機能低下

・痛みや倦怠感→痛みへの拒否反応や体だのだるさで動きたくない

・やる気・活気の低下→動きたくない・何もしたくない

・治療による不動→点滴や人工呼吸器など

 

これらににより長時間ベッド上で過ごすことが多くなります。

 

②局部に圧力がかかる

褥瘡になるか?ならないか!はここが分岐点となります。

私達は寝ている間に寝返りをうって、一部にかかる圧力を減らしています。

寝返りのメリット

・寝返りをすることで除圧し血行不良を改善できる→褥瘡予防

・皮膚や関節を動かし痛みを軽減する→拘縮予防

・安楽な呼吸を得やすい体位を得られる→呼吸障害予防

・気道に痰や唾液の流入を防ぐ→誤嚥予防

このように、寝返りはさまざまなメリットがあり、健康に過ごすために必要な動作といえます。リハビリの中でも寝返りができるかどうかは運動機能の評価に必須とされています。

しかし、

自身での寝返りができなければそれはデメリットと化します。

寝返りができないデメリット

・褥瘡悪化

・関節拘縮の進行

・痛みの増長

・全身の筋緊張亢進

・呼吸障害

 

③局部に阻血(血の巡りの低下)

寝たきりにより長時間過ごすと、体の一部に体重(圧力)がかかり、血行障害(血の巡りが悪くなること)がおこります。

褥瘡部位は長時間圧迫されている部位により出現頻度や褥瘡の進行具合が変化します。

それにより、圧迫された部分に栄養や酸素が行き届かず組織細胞が死んでしまうのです。その結果として褥瘡が発生してしまいます。

 

④組織壊死

ここからは、褥瘡の程度について話していきます。

褥瘡は急激に進行していく場合もあれば、徐々に進行していく場合もあります。

それはなぜかというと、身体状況が様々に影響しあっているからです。

たとえば

・体重が減って痩せている→骨が出っ張っており、褥瘡になりやすい

・筋肉質であり栄養豊富→褥瘡になりにくい

・片麻痺→身体感覚がわからず、褥瘡になってもわかりにくい

・超高齢者→褥瘡になると細菌感染のリスクが高い

 

医学的な評価としてDESIGN-Rという評価があります。

ステージ1 (D1)

皮膚の表面に発赤がある状態です。見た目では損傷はないものの、硬さや熱感があるなど周囲の皮膚とは異なっています。

人指し指で赤くなっている部分を3秒ほど押してみて、離したときに赤いままであれば褥瘡の可能性があります。指を離したときに白くなっているものは褥瘡ではありません。

ステージ2 (D2)
欠損が真皮にまで届いている状態です。ただれや水ぶくれがあり、分泌物がみられます。痛みの訴えが始まるのもこの段階からです。

ステージ3 (D3)
欠損が皮膚を超えて皮下脂肪にまで達している状態です。膿が溜まっていることもあります。ここまで進行すると、細菌が入って感染を起こしやすいので注意が必要です。

ステージ4 (D4・D5)
皮下脂肪を超えて、筋肉や骨まで届く深い潰瘍ができている状態です。神経組織も侵されているので、強い痛みがあります。

ミケ
ミケ
発赤や腫脹までなら寝返りなどの対処療法でも可能です。痛み・水膨れ・浸出液が起きていれば医療処置が必要!ご自宅で療養されている人は病院へ相談を!

 

褥瘡予防に必要なこと!

一番の原因は寝たきりにより自分の体を動かせない事なのです。

私達健常者は、体の不快感や痛みを減らすために寝返りうち、圧がかかる部分を減らします。このことを除圧といいます。

寝返りをうつ=除圧と考えてください。

除圧をおこなうと、圧迫されていた部分の血流が回復し栄養や酸素が行き渡ることで組織細胞死を回避できます。
何度も言いますが褥瘡予防で大事なことは除圧です。どのような手段を使って除圧を行うかが鍵になります。

褥瘡予防の3原則

ここでは褥瘡予防の3原則をお伝えします。

褥瘡は予防が重要!

褥瘡になってから対応するのか?ではなく、褥瘡にならない環境づくりが大切です。

リハビリ専門職の作業療法士が考える褥瘡予防をお伝えします。病院・施設・ご自宅でもできる内容となっていますので参考にしてみてください。

ポジショニングクッション

褥瘡予防に重要なものは体位交換をサポートするポジショニングクッションです。

ポジショニングクッションは体の体位交換を支える重要な道具です。

まずは体位交換の目的とは何をかをお伝えします。

体位交換の目的

 ・安楽な体位をとる
 ・同じ姿勢での圧迫による障害を避ける
 ・同じ姿勢による筋の萎縮・機能低下を予防する
 ・循環期を刺激し、静脈血栓症や褥瘡あるいは四肢の浮腫を予防
 ・肺の拡張を促進する
 ・気道の分泌物を排出しやすくする
 ・看護や診察・治療・検査に必要な体位をとる

このように、体位交換を行うと褥瘡予防のみでなく、呼吸や循環器系にも作用することが分かります。

 

 ①三角クッション
 ②体位交換クッション

が有効です。

 

 

◇関節の柔軟性を保つ

寝たきりの高齢者やがんサバイバーは体が固くなっていることが多いです。

体を動かさない事によるデメリットは多岐にわたります。

 

 体を動かさないことによるデメリット

 ・関節拘縮(体が固くなる)
 ・循環不全や血行不良
 ・痛みの出現
 ・褥瘡の悪化
 ・筋活動の低下による筋力低下 

が挙げられます。

 

 褥瘡は関節拘縮や血行不良によっても悪化するため、寝たきりの高齢者の関節を動かすことや寝返りを促すことは褥瘡予防に繋がります。

ただし、褥瘡部位に負荷をかける動作や運動には注意が必要です。
リハビリ職などの専門職に相談することをおすすめします。
可能であれば、車椅子座位やギャッジアップを行い離床をすすめると良いでしょう。

◇栄養管理に注意する

 褥瘡予防には栄養管理も必要!低栄養になっていませんか?
栄養不良となると、体の組織の脆弱となり皮膚組織も薄く・弱くなりやすいです。その結果、褥瘡のリスクが増えてきます。


ポイントはしっかりとエネルギーとタンパク質を摂取すること!またバランスの良い食事を心がけて、足りない栄養は栄養補助食品を利用しましょう!

 栄養補助食品は市販されているものもあります。ただし、疾患などに考慮する必要もあるので、詳しくはかかりつけ医や栄養士に相談をしてみてください。 

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まとめ


褥瘡予防の3原則はポジショニング②関節の柔軟性を保つ③栄養管理をお伝えしました。

皮膚の発赤から始まる褥瘡ですが、進行すると強い痛みを伴い、外科手術が必要になることや命に関わる感染症を引き起こすこともあります。

できるところから褥瘡予防を行い、健康的な生活を送っていきましょう!

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こんにちはたまるです。 作業療法士をしています。 このブログでは癌サバイバーや在宅療法をしている支援者に対して情報提供していきます。