傾聴という技術を知っていますか?知らなければ患者さんの気持ちを理解できていない可能性大です。なぜ傾聴が作業療法士にとって必須な技術であるかを説明します。
本記事の内容
- 傾聴は作業療法士にとって必須な技術
- コミュニケーションはノンバーバル・コミュニケーションが大事

作業療法士に傾聴が必要な理由
リハビリの技術を伝える前に患者さんの気持ちを理解しない人が多すぎます。
みたいな流れならOKです。
でも
と言われたら患者さんは混乱します。
作業療法士は患者さんとのコミュニケーションが必要です。確かにリハビリの技術を伝えるのも大事ですが、患者さんをないがしろにしてはいけません。というか、きちんとした評価ができていません。
実は口下手でも傾聴のスキルさえ身につけることができれば大丈夫です。
傾聴のポイント
①心に耳を傾けて聴く
(あなたのことが知りたいと思う)
②アイコンタクトとする
(優しいまなざしをおくる)
③間や沈黙を怖がらない
(相手が考える時間を作る)
④気持ちを汲み取りながら聴く
(辛かったね・大丈夫だよ・良かったねと共感する)
⑤話しやすい雰囲気を作る
(人のいない場所へ移動するなど・・)
- なんで?どうして?と質問攻めにする
- アドバイスする
- 自分のことを話し出す
自分の話を真剣にいてくれない人には話す気にならない
初対面の人に
「自分が病気になった辛さ」
「家族に迷惑をかけている罪悪感」
「こんなつまらないことを言ったらバカにされる」
などを言えるだろうか?いや言えない。
だって相手を嫌な気持ちにさせるし、第一にバカにされたくない。自分の弱さを見せたくない。
ただでさえ気に病んでいるのに、さらに追い打ちをかけられたくないと思うのは普通のこと。でも、誰にも言えないのも辛いことです。
看護師さんなどは他の業務で忙しい。医師の忙しさは言わずもがなです。でも、作業療法士は患者さんと関わる時間が長く生活に寄り添う職業です。必然的に患者さんとコミュニケーションを取りやすい環境にあります。
患者さんのリハビリをしながらゆっくり時間を取れる【精神的なケア】が治療効果UPに繋がります。
傾聴のメリット
- 自分自身のコミュニケーションスキルが上がる
- 深いレベルで、相手をよく理解し、気持ちを汲み取り、共感できる
- より良好な人間関係を築くことができる
- 難しい人間関係の問題を解決しやすくなる
- 相手の自己肯定感や心理状態が高まる
- 相手自身が、悩みや問題の解決のため、必要な行動や変化を得ることができる
言葉の裏側にある気持ちを分かって欲しい
会話のキャッチボールは相手の言葉を受け取ることから始まります。
聞く・・・自然と耳に入ってくる音・声
聴く・・・注意深く耳を傾けて熱心に聴くこと
注意深く熱心に聞くということは相手に興味を示すことです。興味がないとそもそも始まりません。何を話していいか分からない人は、相手のことを考えていないとも言えます。
患者さんは自尊心が低く自信がありません。無意味に慰めたり、励ましたらいいという考えでありません。つらい状況で「大丈夫ですよ!なんとかなります」と言われても「はぁ…」とため息をつかせるだけです。
- 相手の話を聴く
- 話を肯定的な態度で受け止める
- 話を聴いていますよと、話を伝え返す
このように無条件に肯定し受け止める姿勢が相手に伝わり、自己重要感が高まります。そして人は、自己重要感が満たされ、高まると、自発的に変化や行動を生み出せるようになります。傾聴により、それを促すことができるようになります。
まとめ
「なにか話さなきゃ」と考えるときは、話し相手のことを考えていません。
どういうことかというと、自分自身が話したいことを相手が理解・共感してくれるかな?ということを無意識に感じているからです。自分自身事を分かって欲しい・理解してほしいという気持ち【承認欲求】を満たしてほしいと思うのです。
あなたの話を聞きたい。あなたのことが知りたい。
という純粋な気持ちが人の心を和ませるのです。答えを求めてはいません。気持ちを聞いてもらってスッキリしたら「また頑張ろう」と思えてくるものです。だから傾聴って効果があるし、患者さんも喜んでくれるのです。簡単だけど難しい傾聴の技術を実践してみては?
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