こんにちは たまるです。
今日は更衣動作(服を着る動作・脱ぐ動作)について話してみたいと思います。
この記事が参考になる人
・作業療法士学生さん ・新人作業療法士さん
更衣動作とは?
何を着るのか
服を着る順番
下着(パンツ・肌着)
Tシャツ
ズボン シャツ コート
服を脱ぐ順番
コート
シャツ ズボン Tシャツ 下着上衣は上半身で着るものと下衣で別れます。
上着はかぶって着る(Tシャツ) 袖を通す着る(シャツ・コート)に分けられます。
下位はパンツ・ズボン・股引き・タイツで一通りしかありません。
その他で、靴下・手袋・帽子は今回は解説しません
着替えをしているときの姿勢 座位 or 立位
座位バランスと上肢の動き
立位バランスと上肢の動き
着替えをするときは手の動きと体幹の安定性が重要です。
上着の着方
Tシャツ(かぶりシャツ)

①まずは両方の袖を腕に通します
②頭からかぶります。
開きシャツ

片麻痺の人の場合
①麻痺側の手から袖を通す。
②服を背中まで回して健側まで服を持ってくる。
③健側の袖を通す
④ボタンを閉める
安定して座ることが前提体幹が安定していない患者さんでは座ること自体が難しい場合があります。どこが座っていてもどこでどちらにバランスが崩れやすいのか?時間が経つと体が倒れやすいのか?を評価することです。
①麻痺側から袖口を通す
開きシャツを着る際には麻痺側から着て、脱ぐときは健側から脱ぐとスムーズです。袖口が小さい場合は袖口をまくり上げて一気に手を通します。肘ぐらいまで通すと後が楽になります。
②服を背中まで回して健側まで服を持ってくる。
麻痺側(右)の服を肩までたくし上げた後、反対の袖(左)まで持ってくる。
ここが一番の難所です。麻痺側の手で洋服を持つことができればよいですが、難しい場合は介助が必要です。健側の動きとバランスが良好なら、体を傾けて健側で首筋にある服をつまむことで健側まで持ってきます。(←結構難しいです)
安定した座位をとる。(足の裏は地面にしっかりつける)
麻痺側がリラックスしている。(肩や肘に力が入っていない)
すこし緩めの服の方が着やすい(袖口が広い・袖を開くことができる)
・洋服を後ろに回すときにバランスを崩さないように注意(側方・後方)
・洋服を後ろに回すときに不十分だと健側の手が入らなくなる。
③健側の袖を通す
健側で袖を見つけた後、肩を外転させて袖を通します。
④ボタンを留める
男性用の服のボタン 右側
女性用の服のボタン 左側
ボタンを留めるときは細かい動作が必要です。親指と人差し指でボタンをつまみ、ボタンホールに入れます。
ジッパーの場合も同様で、左右の金具を合わせるため細かい指の動きが必要です。
片手でボタンやチャックを閉めることは難しく時間がかかります。
介護服ならベルクロのためボタン閉め作業がなくなり楽ですよ
ズボンを履く動作

①ズボンをたくし上げて麻痺側の足に入れる。
②健側の足にズボンを入れる
③立ち上がりズボンをお尻までたくし上げる
④ボタンを閉める・ベルトを締める
①ズボンをたくし上げて麻痺側を入れる
ズボンの裾をまくり上げて足を通します。座って足を組めたら自分で出来ます。難しければ介助が必要です。誤って裾を踏んでしまわないよう注意しましょう
②健側の足にズボンを入れる
座った状態で足にズボンを履かせます。この時も①と同じです。
③立ち上がりズボンをお尻までたくし上げる
①両足にズボンが通ったら膝まで持ち上げる
②立ち上がる
把持物なしで立つ:両手で持って持ち上げる
把持物ありで立つ:片手で手すりをもって、左右交互に持ち上げる
立つことで精一杯:体を支える人とズボンを挙げる人2人必要
③お尻までズボンを上げる
立ち上がりズボンを上げる時にはお尻まで上げることができるか?が問題です。
まっすぐの立位姿勢ではお尻が邪魔をしてしっかり上げることができません。少し体を前傾させることでズボンを履かせやすくなります。
ズボンの前と後ろがちゃんと履けているかチェック
ズボンの裾を踏んでいないかチェック
④ボタンを閉める・ベルトを締める
チャック:つまむところが小さいため細かな指の動きが必要。
ボタン:上着のボタンよりも難しい(両手でボタンを合わせるため)
ベルト:ベルト穴のタイプは作業が難しい 引っ張るだけで止まるベルトがベター
上記ではなくゴムのズボンが一番楽
まとめ
患者さんによって必要な動作は変わってきます。リハビリ職として第一に獲得したいのはズボンの上げ下げです。特にズボンを下す事を性格に素早くできるとトイレに間に合わせることができます。ズボンを上げる動作は時間の余裕があるのでゆっくりでも大丈夫です。
患者さんに合わせた作業療法の提供が出来るように日々練習していきたいですね。