作業療法

作業療法で成果を出すためには

どうも たまるです。

作業療法の成果って見えにくいですよね。私なりの見解をお伝えします。


作業療法は分かってもらいにくい

医療職の中でも異質な存在である作業療法士。理学療法士はフィジカルのスペシャリストで物理療法や温熱療法など高いエビデンスで治療する専門家です。言語聴覚士は構音障害や高次脳機能障害、嚥下機能のスペシャリストで、理学・作業と比べて人数も少ないので重宝されます。

作業療法はお手玉、塗り絵、レクリエーションなどほかの職種からしてみれば遊んでいるように思われがち。実は目的があってやっているんだよ!!ということを声を大にして伝えたい。

 


やる気を出すためには 

リハビリには成功体験という考え方があります。「どんな困難にも立ち向かって失敗しても挫けずに頑張り続ける人」になりたいとは思いますが、私は弱い人間なので失敗したくありません。無理だとわかっているのなら簡単なほうからしてみては?というのが成功体験です。

 

ドラクエでいきなりラスボスに挑戦しても「それは無理だろ」と皆から馬鹿にされるけど、スライムばかり倒し続けては「そんなの誰でもできる」と鼻で笑われます。ちょうどよい敵「マドハンド」ぐらいにおさまるのです。

 

リハビリも同じで、「お手玉なんて子供の遊びだろ」と思っていても、病気をして自信を失っている人にとっては「ドラクエのラスボス」ほどの難易度なのです。お手玉は手を握ったり離したりする練習で、動かない指を瞬間的に開いたり閉じたりすることが難しい人にとっては思うようにいかずストレスがかかります。

やっとの思いでお手玉ができても「たったこれだけ…」と自信を失います。

作業療法では出来た事よりも「挑戦したこと」に対してフィードバックします。達成度・必要度・満足度の3つで評価するのです。特に満足度が重要で、昔の自分と比べて今の自分はどうか?という自分への認知能力がモチベーション維持に必要になります。達成度と必要度が確保されても満足度が低ければその作業を続けようとは思わないからです。

 

話を戻すと、病気になった人や年老いた人は自己肯定感が極めて低いです。立ち直るためには成功体験が必要なのです。簡単な作業を行うと、「体が悪くなったけど、まだこれは出来る」と安心できます。そして「もしかしたらこれもできるかも…」と次の活動意欲が湧いてくることを期待しています。

塗り絵やお手玉自体がリハビリの場合もありますが、基本的には今の自分が出来ることの確認作業をしています。

 

「なんで塗り絵をしなくてはいけないのか?」という人は別のことをすればいいだけの話です。スマホでもいいしキャッチボールでもいい。ランニングをしてもいいし絵をかいたり、ブログを書いたり、勉強してもいいのです。病院内で出来る娯楽の中で一番簡単なものが塗り絵であるだけです。

私が現場でやっていることは患者さんに新聞を手渡すことです。昭和を生き抜いてきた男性は「朝に新聞を読む」という作業をしてきました。新聞を読める読めないに関わらず習慣の力はすごいもので、新聞を病室までもっていくと自然と開いて眺めているのです。


基本は患者さん視点

あなたは人から言われてやりたいと思いますか?自分で何をするか決めたいと思うはずです。患者さんも同じで人から言われたことをその通りにする人はあまりいないと思います。表面的に作業をこなしても「先生が言ったからしている」程度のもので大した熱量ではありません。それで本当によくなるのでしょうか?

作業療法士から作業の必要性を提案して、「あなたにはこれが必要だと思うけどあなたはどう思う?」と提案し一緒に考えていく必要があります。作業療法は目に見えての変化が出るまでが遅く、患者さん本人の意欲が出てきたら急速に成果が出てくるものです。病気の治癒の前に自分自身の理解を重要視するからです。

患者さん本人のモチベーションが低ければ効果は上がりません。なぜモチベーションが低いのかを評価する必要があります。自己肯定感が低い人や逆に高すぎる人がそれにあたります。あなたにとって必要なことは何かを根気強く聞いて、やりたいことがなければとりあえずやってみる。それで反応を聞く。

ここが作業療法士の腕の見せ所であり楽しいところでもあります。藤原茂(作業療法士)先生の言葉で「あなたのことが気になる」という言葉が新人の頃から胸に刺さっています。「何とかしてあげたい」「力になりたい」と思う気持ちが患者さんを動かすのだと信じています。

 


まとめ

作業療法士として成果を出すには「患者さん目線に立つこと」に尽きると思います。自分がやりたいことを患者さんに押し付けるのではなくて、患者さんと一緒になって考える。いきいきと元気に生活してもらう手伝いができる作業療法士は良い仕事であると思います。

 

最後まで見ていただいてありがとうございます。

 

ABOUT ME
tamaru
こんにちはたまるです。 作業療法士をしています。 このブログでは癌サバイバーや在宅療法をしている支援者に対して情報提供していきます。