BI(バーサルインデックス)はどうやって評価していったらいいのか知りたい。
ADLの評価のバーサルインデックスについて解説します。
この記事で分かること
・バーサルインデックスとは
・バーサルインデックスの特徴
・バーサルインデックスの評価方法
BI(バーセルインデックス)とは
バーサルインデックス(BI:Barthel Index)とは、食事や入浴、着替えなどの日常生活の能力を評価する指標です。
米国の医師Mahoneyと理学療法士のBarthelによって作らた、日常生活動作(ADL)を評価する指標として作られました。
BIは世界的にも普及しており、日本でも客観性の高いADL評価方法として注目を集めています。
令和3年度介護報酬改定では「ADL維持加算」の対象サービスが拡充したため、今後はさらに重大度が増してくるでしょう。
BI(バーセルインデックス)の特徴
ここではBI(バーセルインデックス)の特徴は以下の通り
メリット
- 採点項目が10個のためで時間がかからない
- 満点100点のため、結果がわかり易い
- 世界共通の評価法
デメリット
- 評価項目や段階が少ないため、細かく評価することが難しい
- できるADLの評価であるため、コンディションに左右されやすい
BI(バーセルインデックス)で高得点を取ったとしても、ADL環境が変われば結果が変化します。
また、金銭管理や家事動作などの複雑な動作は含まれていないため、BI(バーセルインデックス)の結果だけではご家族や利用者のADLすべてを把握しているとは言えません。
日頃の生活場面や様子を記録して情報を共有することも重要です。
BI(バーセルインデックス)の評価
ここからはBI(バーセルインデックス)の評価を解説していきたいと思います。
それぞれの評価項目について基準に従いながら0点~15点を付け、得点が高いほど自立度が高いという評価になります。
最低得点は0点、最大得点は100点で採点します。
一般的な目安として100点満点中85点以上が自立・60点で部分自立・40点で大部分介護・0点が全介助とされています。
食事
10点:自立 自助具などの装着は可能。標準的時間内に食べ終わる
5点:部分介助 おかずを切って細かくする (調理室での食形態変更は含まず)
0点:全介助
下膳と配膳は含みません。
胃ろう・経管チューブ等を使用している場合は全介助です。
車椅子からベッドへの移動
15点:自立 ブレーキ、フットレストの操作も含む
10点:軽度の部分介助または監視を要する
5点:座ることは可能であるがほぼ全介助
0点:全介助
整容
5点:自立 洗面・整髪・歯磨き・髭剃り (すべての動作を一人でできる)
0点:部分介助または全介助 (一つでも介助が必要)
洗面動作(顔洗い・歯磨き)は準備や片付けを含めた動作が出来た場合のみ5点とします。
歯ブラシに歯磨き粉をつけたり、髭剃りのカミソリ刃の交換が必要な場合は部分介助になります。
トイレ動作
10点:自立 衣服の操作、後始末を含む。
5点:部分介助 体を支える、衣服の着脱、後始末に介助を要する
0点:全介助または不能
ポータブルトイレの自立はその後始末の洗浄も含みます。
リハビリパンツやパット使用していても自分で後処理できる場合は10点となります。
後処理ができなければ部分介助の5点となります。
入浴
5点:自立 体や髪の毛を洗う/シャワーを使う/浴槽に入る一連の動作ができる
0点:部分介助または全介助
転倒する危険性があるため見守りがが必要な場合は0点になります。
歩行
15点:45メートル以上の歩行 補装具(車椅子・歩行器は除く)の使用の有無は問わず
10点:45メートル以上の介助歩行 歩行器の使用を含む
5点:歩行不能の場合、車椅子にて45m以上の操作可能。
0点:上記以外
階段昇降
10点:自立 手すりなどの使用の有無は問わない
5点:介助または監視を要する
0点:不能
階段は1階分の昇降が可能かどうかを評価します。
3段~4段では0点と判断します。
着替え
10点:自立 靴、ファスナー、装具の着脱を含む
5点:部分介助 標準的な時間内、半分以上は自分で行える
0点:上記以外
排便コントロール
10点:失禁なし 浣腸、座薬の取り扱いも可能 ストーマ(人工肛門)の管理が自分でできる
5点:ときに失禁あり 浣腸、座薬の取り扱いに介助を要するものも含む
0点:上記以外
排尿コントロール
10点:失禁なし 収尿器(尿瓶)の取り扱いも可能
5点:ときに失禁あり 収尿器(尿瓶)の取り扱いに介助を要するものも含む
0点:上記以外 常に失敗があり、留置カテーテルを装着している
昼間は失禁がなくても、夜間帯にオムツを着用していれば5点と判断します。
まとめ
今回はBI(バーセルインデックス)について解説しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。この記事の内容が一つ参考になれば幸いです。
参考
厚生労働省「バーセルインデックスの評価方法について」